ロングビーチ港には、スペースX社が運用する西海岸側のロケット回収および整備・修繕用マリンターミナル拠点が存在している。
スペースX社はロングビーチ港のピアT(Pier T)(かつての米海軍基地跡地)に、約15エーカー(約6万平方メートル)におよぶ専用ターミナル施設を構えている。
- 主な機能 : 太平洋上で回収されたファルコン9ロケットの第一段ブースターやドラゴン宇宙船の揚陸、簡易点検、初期メンテナンス・修繕、作業船への資機材補給。
バンデンバーグ宇宙軍基地(カリフォルニア州中部)から打ち上げられたロケットは、太平洋上に待機する自律型無人ドローン船に着陸する。回収されたブースターは以下のような流れで本拠点にて処理される。
- 無人船・作業船の着岸と揚陸: 大型クレーンを用いて、海上で回収したロケットブースターやフェアリング(衛星カバー)を作業船から陸上へ揚陸される。
- 点検および初期修繕: 港湾施設内の大型倉庫やオフィスエリアにて、塩分除去の洗浄やエンジン・機体各部の損傷チェック、再利用に向けた初期修繕・整備作業が行われる。
- 再利用(リユース)に向けた輸送: 初期メンテナンス完了後、ホーソーン(Hawthorne)にあるSpaceX本社工場や打ち上げ射場へ陸送され、次の打ち上げに向けた最終調整が行われる。
拠点の背景と特徴
- 2021年の開設: もともと商業衛星ロケット打ち上げ会社 Sea Launch が使用していた埠頭跡地を借り受ける形で、2021年5月に正式運用が開始された。
- 施設の拡張: バンデンバーグからの打ち上げ頻度急増に伴い、回収・修繕能力を高めるため、敷地面積は開設当初の約6.5エーカーから約15エーカー規模へと大幅に拡大された。
- 地理的優位性: 太平洋からのアクセスが良好で、大型クレーン設備と深い水深を備えた埠頭であるため、巨大なロケット構造物を安全かつ効率的に陸揚げ・メンテナンスできる西海岸唯一無二の拠点となっている。
