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米国(アメリカ)国際物流で困った経験

米国(アメリカ)国際物流で困った10の経験

アメリカと言えば、「世界で代表的な先進国、そして経済大国」です。

今やアメリカ無くして、世界経済は語れません。

事業拡大のためにアメリカ進出する“、”アメリカの商品を日本に輸入する“などアメリカとの国際的なビジネスをする際に「アメリカは先進国だから、物流も安心!」と考える方が多く見受けられます。

米国(アメリカ)との国際物流は、「困ったこと」が起こります。

我々の国際物流経験で実際に起こった「困った経験」をお伝えいたします。

その1【20’コンテナがシカゴからロスへの鉄道になかなか乗らなくて困った】

 

コンテナのサイズは、大きく分けて、”20フィート“と”40フィート“があります。

いつも40フィートを使っている方が「今回は、物量が少ないので、20フィートのコンテナで出荷しよう!」と簡単に考えると、問題が起こることがあります。

20’コンテナがシカゴからロスへの鉄道に、なかなか乗らなかった。。。」という実例をご紹介いたします。

 

|話しの経緯

今年の一月に、シカゴから東京向けに危険品を20‘のコンテナで、船社にブッキングしました。

鉄道でロスまで配送されて、ロス港から本船に3月1日に積まれる予定でした。

問題なくシカゴから鉄道に乗っているものと、たかをくくっていました。ところが、インターネットで調べてみると、当初の予定日に乗っていないのです。

 

早速、船社に電話をして問い合わせると、「ロールオーバー」とのことでした。

【用語解説】ロールオーバーとは、次の便に変更されることを指します。

 

ロールオーバーされたとは言え、まだ間にあうので、一安心しました。

 

翌週、やはり心配になり、確認のためロールオーバーされたスケジュール予定日に、再度、電話をし問い合わせると、「また、ロールオーバーされた」とのことでした。

 

その原因が危険品かと思い、何度も聞きましたが、要点を得ません。結局マネージャーとつないでもらい、やっと原因が判明しました。

 

問題は、「危険品ではなく、コンテナのサイズ」だったのです。

 

米国の鉄道はダブルスタック鉄道でコンテナを2段積みにして搬送します。その際に40’および45‘のコンテナ、53’コンテナ(このサイズは国内配送用)ですと問題はないのですが、20’のコンテナの場合、ペアにならないと積めないルールになっています。つまり、ペアにして積み込むもう一つの20’コンテナが、ブッキングされるのを待っていたとのことでした。これには困りました。

 

教訓

単純に、物量や値段が安いからと言って、20フィートコンテナに変更するのは、危険!コンテナのサイズはしっかりと調査した上で、決めましょう!

その2【並行輸入でアメリカの商品をアメリカにある倉庫に搬入できなくて困った】

 

アメリカには、“アメリカ国内で販売する” という名目でなければ購買できない商品があります。

このような”海外販売を禁止されている商品“をフォワーダーの倉庫に搬入しようとすると、「海外での販売を疑われ、商品の購入ができない」というケースがあります。

要は、「フォワーダーの倉庫搬入では、海外輸出の可能性を疑われる」のです。


並行輸入商品を購入し、アメリカで一時保管する場合に注意すべき項目」をフォワーダーの社内会話形式でご紹介いたします。

 

実際の会話の流れ

【上司】 名古屋の輸入者の指定で当社の海上混載サービスの依頼を受けました。商品は並行輸入のアパレルで、POLはロングビーチ港、PODは名古屋港です。 シッパーに連絡を取り、次回の出荷の手配してください。貿易タームは「FOB」です。

 

【用語解説】POLとは、Port of Loading(積地港)、貨物を積む港のこと。PODは、Port of Discharge(揚地港)、 貨物を下ろす港のこと。
よって、今回のケースでは、アメリカのロングビーチ港から日本の名古屋港までの貨物移動ですので、POL=ロングビーチ港、POD=名古屋港になります。

 

【部下】 承知いたしました。すぐに手配します。本件で何か注意するべきことはありますでしょうか?

 

【上司】 今回は、”並行輸入“です。並行輸入の場合、まずは、サプライヤー(Supplier)からこのシッパー(荷主)の倉庫に搬入してください。

 

【部下】 了解いたしました。差し支えなければ、シッパーの倉庫に搬入する理由を教えていただけませんでしょうか?

 

【上司】 理由は、2つあります。まず1つ目の理由は、”シッパーが、検品と梱包をして輸出のためにパレット積みをするから”です。2つ目の理由が、とても重要です。

 

【部下】 是非教えてください!

 

【上司】 並行輸入商品の場合、“アメリカ国内で販売する”という名目でなければ購買できません。よって、”サプライヤーから商品を購入する際、商品搬入場所をフォワーダーの倉庫にすると、海外輸出の可能性を疑われ、商品購入ができない場合があるからです。”

 

【部下】 ありがとうございます。勉強になりました。ただ、”2つ目の理由”の重要性はしっくりきません。これは、アメリカでの商品購入の知識だと思います。よって商社としては、大変重要な情報だと思いますが、我々フォワーダーとしては、そこまで重要性を感じないのです。

 

【上司】 なるほど。”フォワーダーとしては、重要ではないですか。。。理由を教えてください。

 

【部下】 今回の貿易は、インコタームズが、”FOB“です。更に我々の作業依頼主は、日本の輸入者です。もし、インコタームズが、”EXW (Ex-work) = 出荷倉庫から搬出されてからのすべての費用は輸入者払い)”など船に乗せる前の責任が輸入者にある貿易タームであればこの重要性が理解できます。しかし、今回のインコタームズは、”FOB (Free on Board) = 船、飛行機にのってからすべて輸入者払い”です。よって、シッパー倉庫からの国内トラック費用は、シッパーが払うべきです。FOBであれば、我々の依頼主である輸入者の責任範囲ではないと思います。

 

【上司】 流石です。しかし、まだ甘いですね。私は、”今まで使用していたフォワーダーが、輸入者側のシッパーがFOBにも関わらず、シッパー倉庫からフォワーダー倉庫までのトラック費用を負担していた”という経験があります。

 

【部下】 一体何故そんなことになったのですか?

 

【上司】 ただ単に、シッパーがその費用を削減して、少しでも利益を上げたいと考えたようです。そして、その物流を獲得したいと考えていたフォワーダーが、そこに目を付けて、Free Pick upのサービスの提案をしたところ、FOBにもかかわらず、このシッパーが輸入者にこのフォワーダー用命の逆指名を依頼したというのが、いきさつです。

 

【部下】 承知いたしました!年々高くなっている、アメリカ国内トラック費用を負担するのは、弊社にとって大打撃です。すぐにシッパーと連絡を取り、国内輸送も含めて、”一体どんなサービスが必要か?”を確認します。

 

【上司】 御願いします。

 

教訓

アメリカで商品を購入する際には、販売可能な国を確認。更にアメリカで一時保管する場所にも気を配りましょう!

その3【アメリカにある食品会社が、インコタームズを全く知らなくて困った】

 

驚かれるかも知れませんが、米国(アメリカ)のサプライヤーの中には、まだまだ海外貿易に不慣れな会社あります。

インコタームズ(商流上、どこまで/誰が支払いの義務を負うかを明確にするために制定された条件)を知らないサプライヤーもあります

よって、「商品購入の際に、”FOB”と伝えてたのに、結局、”Ex-work”条件での物流コストを負担しなくてはならなくなった。。。」こんな困ったケースも起こります。

 

【実際の会話の流れ】

【日本輸入業者】 日本にある貿易会社の購買担当の斎藤と申します。貴社の商品の缶詰ナッツ、Item番号021を購買したいのですが?

 

【米国サプライヤー】 営業担当のボブと申します。現在は、米国内の商売がほとんどですが、今後は、海外との貿易を積極的進めていきたいと思っております。数量はどのくらいご希望ですか?

 

【日本輸入業者】 量的には、海上コンテナ20フィートで配送できるようにしたいです。検討いただき、この商品での積載数をFOB価格でご教授ください。

 

【米国サプライヤー】 承知いたしました。後日メールでご連絡します。

 

—–後日————-

 

【日本輸入業者】 見積もりありがとうございます。それでは125ケース(3000缶)を$7500ということでお願いします。

 

【米国サプライヤー】 ご購入ありがとうございます。来週には全品出荷準備ができますが、そのタイミングでよろしいですか?

 

【日本輸入業者】 了解です。そのタイミングにあうよう弊社でロングビーチ港から東京まで船社とブッキングをして詳細をご連絡します。

 

【米国サプライヤー】 承知いたしました。ご連絡お待ちしています。

 

—–後日————-

 

【日本輸入業者】 船社のブッキング情報をメールで連絡しましたが、ターミナルへはいつ頃コンテナを配送できますか?

 

【米国サプライヤー】 どういうことですか?貴社が弊社のロサンゼルス倉庫まで取りに来るではないのですか?

 

【日本輸入業者】 貿易タームを”FOB”ということで進めていたので、貴社にてロングビーチ港までの搬送を行ってください。

 

【米国サプライヤー】 弊社の通常の国内契約タームが倉庫受け渡しになっていますので、海外契約もそうなると思っていました。

 

【日本輸入業者】 倉庫渡しであれば、”Ex-work”という別の貿易タームになります。先日、”FOB”価格の見積りを依頼しましたので、港までの搬送手続きを貴社で行ってください

 

【米国サプライヤー】 私では判断しかねますので、上司に確認します。

 

—–後日————-

 

【米国サプライヤー】 上司に確認しましたが、弊社では、港までの搬送手続きを行なうことはできません。海外貿易に不慣れで申し訳ございません。

 

教訓

米国(アメリカ)のサプライヤーの中にはまだまだ海外貿易に不慣れな会社があります。”FOB”と伝えるだけでは、不十分です。
インコタームズは、国際商業会議所 (International Chamber of Commerce: ICC) が定めた貿易条件の定義だから安心!
と思ってはいけません。
海外貿易経験のないアメリカのサプライヤーとの商流では、必ず下記を行なうように心がけてください。
・商流の詳細(どこまで/誰が支払いの義務を負うか)を両社が納得するまで話し合う。
・詳細が確定したら契約書に明記する。
ちなみに今回のケースでは、結局、日本の輸入業者が、サプライヤーの倉庫からの受け取りからロングビーチ港への搬送の諸費用を全て負担することになりました。

その4【日本へ帰国時、通関の知識がなかったので、トラブルに巻き込まれてしまった】

 

アメリカ駐在の任期を終えて、アメリカ(ロサンゼルス – Los Angeles)から日本(名古屋)に引っ越しをする際の話しです。

 

|話しの経緯

アメリカで乗っていた車を日本に持ち帰りたかったので、専用線で日本に出荷する手配をしました。その際に、「新品のタイヤと工具も一緒に、日本に持って帰ろう!」と思い、車のトランクに入れておきました。
そして、通関書類には、「車一台」とのみ記入して、書類を提出しました。

 

無事に名古屋に到着しましたが、通関時に検査が入って大変な事になってしまいました。トランクに入れておいたタイヤと工具の事をすっかり忘れていて、提出書類に表記しなかったのです。「どうせ、車一台だけだからトランクの中まで調べないだろう」とたかをくくっていたことが、検査で発覚してしまったのです。。。

 

通関に予想もしなかった手間がかかっただけでなく、追加費用までが掛かってしまいました。。。。高い授業料を払った手痛い経験になりました。

 

|教訓

例え、車のタイヤ、工具であっても、国際輸出入の際は、すべての品目を通関書類に明記し、申告しましょう!


その5【ロスからテキサスへのトラック配送、実は鉄道を使っていた】

 

日本(横浜)からアメリカ(ロサンゼルス – Los Angeles)へ5パレットの玩具を海上混載で輸送、ロサンゼルスからテキサス州ヒューストン(Houston)の店までトラック配送を依頼して起こった予想外の展開です。

 

|話しの経緯

ヒューストン直の海上混載サービスがあれば輸送費が削減される」と思い、複数のフォワーダーに問い合わせをして、「横浜からヒューストン向けの直接海上混載サービスができる業者」を探しましたが、見つかりませんでした。

フォワーダーが見つからなかった理由は、「ヒューストンまでの物量が足りず、海上混載が組めないことが原因」です。

よって、仕方なく、日本(横浜)からアメリカ(ロサンゼルス)まで海上混載で輸送。ロサンゼルスで通関後にトラックでヒューストンに配送することにしました。

 

**今までの流れのおさらい:ヒューストン直の海上混載サービスがあれば、輸送費が削減されると思いましたが、仕方なくロス揚げでトラック配送のサービスを使用することにしたという流れです。

 

無事、ロサンゼルスに到着。通関も問題なくとおり、トラックでヒューストンまでのドアデリ(ドアの前まで荷物を運んでくれるサービスのこと)が手配されました。

 

困ったのは、ここからです。予定到着日になっても連絡が無く、商品もお店に届いておりません。すぐに、トラック会社に問い合わせをしたところ、「あと3-4日かかる」とのことでした。

 

これでは、グランドオープニングセールに間に合いません。

 

どう考えても、3-4日の遅れは合点がいかず、遅れた理由をしつこく聞くと、トラックで輸送されていると思っていたカーゴが、実は鉄道でされていることが判明

おかしいと追及したところ、米国のトラック輸送では、鉄道を使うことも多々あるということの一点張りで通されてしまいました。

何とかオープニングには間に合いましたが、予想外の展開で唖然としました。

鉄道を使用した場合、混載したトレイラーをいったん鉄道のRampへ搬入して、鉄道で輸送。そして、ヒューストンの鉄道Rampからトレイラーを引き出し配送という過程を経るので、搬送日数がトラック直配送よりも多くかかります。

 

|教訓

米国内のトラック配送サービスには段階があります。普通便(到着予定日が遅延することあり。この時に鉄道を使うこともある)、ギャランティサービス(到着予定日に必着)。
今回のケースでは、「普通便」を選んでいました。
当然費用はギャランティサービスの方が費用が高いです。しかし、アメリカの物流は、予定日よりも遅れることが多々あります。確実に届けたい日が有る場合には、「ギャランティサービス」を選びましょう!


その6【トラック輸送中、コンテナ重量の偏りで罰金】

 

中国から輸入された冷蔵庫の部材資材をアメリカ・ロサンゼルス港経由で、メキシコのティワナまで輸送する物流でこんな事がありました。

 

|話しの経緯

ロサンゼルス港からドレージでティワナに向かっている途中でハイウエイパトロールにつかまって、荷物の積み直しをさせられました。

 

*ドレージとは、コンテナを陸上輸送すること、又は陸上輸送料のことをいいます。英語では、”Drayage”

 

どうやら総重量は規定内でしたが、積み方に問題があり、重量のバランスが偏っていたため、止められ、継続してトラックを走らせることは危険と判断されたようです。そのために別のトラックを用意して、積み直し、バランスを整えて配送しました。配送遅延と追加料金が発生しましたが、結局、バンニングしたシッパーの責任と判明しましたので、事なきと得ました。

 

教訓

規定内の重量でもコンテナ内での前後左右で重量バランスが均等でない場合、外からそのコンテナが乗っているチャシーを見ると偏っているのがよくわかります。今回の場合、資材の中に鉄板の板が大分積まれていて、その他の貨物とのバランスをうまくとらずに積み込んだ結果でした。

その7【アパレルのHS Codeで会社倒産】

 

アジアからアメリカにアパレル商品を輸入していた会社さんが急に倒産してしまいました。

一体この会社に何があったのでしょうか?

 

|話しの経緯

ある荷主さんが、アジアから輸入していたアパレル商品のHS Codeを調べ、「品物によっては、関税に大きな差がある」ことに気づき、安い関税が適用されるHS Codeを5年間使用していました。

 

よく調べると、”インボイスの内容”と”該当する商品のHS Code“が微妙に食い違っていましたが、通関ができていましたので、そのままにしておいたそうです。

輸入者としては、やはり、安い関税の適用ができれば売値等、ビジネスの利益に大きな違いが出てきますから。

 

5年たったある入荷の通関時、税関から突然、「商品のサンプルを要求されたり、インボイス、パッキングリストの詳細の説明を求められました。

 

結局、過去5年間にさかのぼって再検査が入り、関税比率が間違えて申請されていたことが判明し、合計で20万ドルの追加関税が課せられてしまいました。

結局、その追加関税支払えず、会社は倒産しました。

また、その通関の手配をしていた通関士にも厳重な注意がなされ、危うく免許を剥奪されるところでした

ちなみに、アパレルの関税は無料から32%までの幅があります。その未払いの追加関税は最終的に、その荷主が年間輸入ボンドを購入していた保険会社が払いました。輸入ボンドはそのためのものでもあります。

 

【用語解説】

*HS Codeとは、国際貿易商品の名称及び分類を世界的に統一した品目表のことです。関税及び統計等で使われます。Harmonized codeの略。日本語訳は、「国際統一商品分類システム ハーモナイズド・コード」です。

*輸入ボンド(Customs Bonds)とは、インボイス価格が$2500以上の輸入時に、問題が起こっても、関税および全ての税金支払いを米国税関に保証するものです。言い換えれば、「掛け捨て保険」のようなものです。輸入ボンドには、”年間(継続)ボンド(Continuous bond)” と”シングルボンド (Single Bong)” があります。シングルボンドは、輸入通関毎に発生します。年間継続ボンドを購入すれば、輸入通関毎に起こるボンド費用を削減できます。このボンドは通関業者を通して購入が出来ます。

*ISFとは、Import Security Filingの略。通称「10+2(テンプラスツー)」。”アメリカに輸入される海上貨物”及び”アメリカを経由して第三国に輸送される貨物”について、米国税関国境警備局(CBP)が電子的な事前申告義務を課したものを指します。

 

|教訓

HS Codeが最初に記載されるISFの情報提示から気を付けなければいけません。貿易会社には正式な関税を支払う責任と義務があります。

その8【釜山港経由、日本行き貨物が立ち往生】

アメリカから日本への輸送を釜山港経由で行なうことが、最近増えております。
釜山港経由が人気な理由は、”輸送費用を抑えるため“です。

輸送コストを抑えるために、”アメリカ→韓国(釜山港)→日本行き”の出荷にしたのに、逆に費用が高くなってしまった。。。
という実例をご紹介いいたします。

「LCLの出荷」「米国(アメリカ)から韓国経由、日本の長崎港まで」、「到着後はドアまで」という内容の国際輸送での出来事です。

 

|話しの経緯

アメリカから長崎(日本)でしたので、当初は、神戸か横浜経由も考えましたが、やはり日本での配送費用がかなり高いため、トータル運賃が安価な、韓国経由で、出荷することにしました。

アメリカからLCL混載を日本の地方港へ出荷する際には、主要港(東京、横浜、大阪、神戸、名古屋)経由ですと、配送は、ほぼトラック輸送になります。この費用を釜山経由と比較した場合、かなりの差があることから、釜山経由の混載サービスを利用することにしたのです。

輸送貨物は、”プールサイドで使用するダイビングボードで長尺もの“でした。重量は602ポンドでしたが、寸法が201インチx23インチx14インチの木枠梱包でかなりの長物です。

ブッキング当初は、何の問題も無く、釜山港まで順調にいきましたが、釜山港到着直前に、下記の事実が判明したのです。

  • 釜山港で積み替え、長崎港行きのサービスが、フェリー船のみ”であることが判明したのです。
  • フェリー船ですと、コンテナ積みでなく、バラ積み
  • この輸送貨物が長すぎてフェリー船に乗せれない

釜山港で滞ってしまい、二進も三進も行かなくなってしまいました。

具体策もなく、一週間遅延しました。納期も差し迫っていましたので、状況をお知らせした長崎のお客様からは、大変なクレームが来て、どんなことがあっても納期に搬入しなければ大問題になるとことでした。八方塞がり状態で、結局、残されたオプションは、20‘のコンテナを釜山港から単独にブックしてその貨物だけを積んで搬入することだけでした。この追加費用はトータルで$1300になりましたが、輸入者様に請求できませんでした。

 

|教訓

釜山港経由の出荷は益々利用されていますが、その先のサービスを確認してから出荷することが大切。考えられるシナリオは、船足が長くなる。危険品の取り扱いに制限が付く可能性がある。長尺ものの取り扱いが難しい、等々。

その9【急ぎの貨物が、税関検査(ランダムチェック(MET Exam])にひっかかってしまった】

 

税関検査には、俗に言う”ランダムチェック(MET Exam)“というものがあるのをご存知でしょうか?

調査対象になると、調査に1-2週間かかることもあります。

「急ぎの貨物が、”ランダムチェック(MET Exam)”対象になってしまった」という実例をご紹介いいたします。

 

|話しの経緯

中国から玩具がカリフォルニア州オークランド港に到着してからのことです。

 

大変急ぎの貨物でしたが、税関検査になってしまいました。ISFも他の書類も問題は無かったのですが、俗に言われる、”ランダムチェック(MET Exam)“で、その検査対象の中に入ってしまったのです。

 

MET Examは、税関が行なう書類検査です。全ての貨物で実施されるわけではなくランダムに行われます。もし、不具合があると現物検査(Intensive exam)になってしまいます。実際行われる検査にはコンテナのレントゲン検査、コンテナから全量デバンして行われる全量検査等もあります。

MET Examの他にも、CET Exam, FDA exam, USDA Exam, 等があります。

 

かかる費用は対応によって変わりますが、「全量検査の場合、期間は、1~2週間かかり、費用は$1800.00前後かかります。

 

ラッキーにも現物検査にはならずにレントゲン検査だけでしたが、コンテナがターミナルに着地してから、1週間かかってしまいました。その検査費用は、$350.00かかりました。急ぎでしたが、ぎりぎりで搬入間に合いました。

 

|教訓

ランダムチェック(MET Exam、CET Exam, FDA exam, USDA Exam)になってしまうことを頭に入れて、早めに貨物を出荷しましょう!

その10【釜山港経由、日本行き航空貨物が間違って船便で出荷されてしまった】

 

貨物輸送は、人間が行なうことです。誰かが手配を間違って行ってしまうこともあります。”Human Error(ヒューマンエラー)”は、避けられません。

ヒューマンエラーの最善の対処方法は、一体何なのでしょうか?

会話形式(フォワーダー会社の社内)でお届けします。

 

|フォワーダー社内の会話

【担当】 このBooking依頼を日本の代理店から受けたのがシカゴのLCLの担当者で、ちょうどその日、休日中だった航空貨物担当へ引継ぎができず、翌日、すっかり忘れていしまい、どういうわけかLCLで出荷されてしまいました。出荷後に日本の代理店から緊急電話があり、ことの成り行きが判明しました。大手企業の新規ビジネスで、もし納期に間に合わないと罰金問題になる大変な事態になっていました。

 

【研修生】 航空便ですと一日で東京到着ですが、LCLだと24日ぐらいかかりますよね。どうされたんですか?

【担当】 すでにこの混載のコンテナは鉄道でシカゴを出発していてオークランド港到着まで何もできません。ただ、たった一つ残された方法があります。オークランド港でこのコンテナを一度当社のサンフランシスコの倉庫に搬送し、このカーゴだけを引き出して、航空便に乗せ換え、そのコンテナをオークランド港のCut offに間に合うように返却することです。

 

【研修生】 この混載便は自社便でしたか?もしそうであっても成功する可能性は限りなく小さいとは思いますが。

 

【担当】 残念ながら違いました。まずはその混載業者の責任者にお詫びとお願いの電話をして、事情を説明し、全面的に協力を約束してもらいました。

 

【研修生】 もし、時間内にそのコンテナが返却できない場合はどうなってしまいますか?

 

【担当】 その混載便に乗っているすべてのお客様とその混載業者に大変なご迷惑がかかりますので、失敗はできません。この対応で許される時間は鉄道で港に到着したその一日だけでした。

 

【研修生】 胃が痛くなってきますね。

 

【担当】はい、その時は毎日寝つきが悪かったですよ。日本の代理店からも電話で進捗状況の報告をするよう指示を受けていましたし、営業部長さんまで巻き込んでしまいました。
結果はすべてが無事成功し、時間内にコンテナを返却でき、日本の納期にも間に合い、代理店からも尽力を認めていただきました。

 

|教訓

いざとなると、本当に大事なのは、「何を知っているかではなく、誰を知っているか?」がキー。”知識よりも人脈”です。
更に大事なのは、「無理を聞いていただける方が、どのくらいいるか?」。つまり人望です。
どの業界にも言えることですが、物流業界でもとても重要です。

【最期に、”物流で本当に重要なこと”】

 

以上が、我々の経験の中で起こった「米国(アメリカ)国際物流で困った10の経験」です。

長年の経験から言えることですが、「物流で重要なのは、コスト!」と考える方が大変多いです。

コストは確かに重要です。しかし、それと同じくらい大事なのは、「物流知識」、「物流業界内での人望、人脈」です。

物流業務を依頼する際には、値段も重要ですが、依頼する物流会社さん及び担当者さんが、下の3つをしっかり持っているかも大変重要です。

  1. 物流の知識を十分に持っている。
  2. 物流業界で太い人脈を持っている。
  3. 物流業界で厚い人望を持っている。

 

何かあれば、何時でも弊社にご相談ください!